桜井識子さんが介護職に就かれていた頃のお話をまとめています。これらを読むと私は感動して胸がいっぱいになることがよくあります。とても大切なことを教えてくださっていると感じます。
介護のお仕事 2
介護職の実情
介護職の素敵なお話が多いですが、今回は介護職の実情についてお話されています。排泄のお世話をしているとどうしても、排泄物が手や腕、さらには顔に飛んできて着いてしまうこともあり、心の中で叫んでしまうようなこともあるそうです。
可愛い100歳
もうすぐ100歳になる可愛らしい入居者さんのお話です。週に何回かナースコールでスタッフを呼んで「さようなら。私、もう死にます」と言われるそうです。呼ばれる方は大変でしょうが読むだけでふふふと笑えてきます。
関西のおばちゃん
認知症の利用者さんのお話です。乙女だった頃に戻ったり、急に関西のおばちゃんのスイッチが入る方です。どこでスイッチが入るか分からないので突然ダミ声になって強く主張されます。
先入観
「介護職の実情」に登場した利用者さんのお話です。スタッフから自分を優先してもらおうとして大きな声を出す我儘な人だと思われている人でしたが、ちゃんと理由があったそうです。きちんと反省と感謝をする識子さんも素敵です。
人を知る
「先入観」と同じ利用者さんのお話です。大変なお金持ちですが、臭いおならやウンコの形を面白がったりする人です。言葉選択が下手で他のスタッフには嫌味に取られたりしていますが、真意をしっかり受け止めています。
不安の持続
認知症で不安の強い利用者さんのお話です。利用者さんのお話を傾聴していると認知症ですから同じ話を何度も繰り返すことになり不安を長引かせてしまうため、識子さんは話題を変えるようにしてみました。すると利用者さんは笑ったり冗談を言ったりするようになったそうです。不安だけでなく悪口を言う気持ちにも同じ法則があるのでは?というお話です。
認知症になっても・・・
認知症の利用者さん3人のお話です。色々なことが分からなくなっても子どもや孫を思いやる気持ちが残っています。人間ってとても尊いと思います。
わかってポイント
利用者さん3人と識子さんの前の職場の方のお話です。人にはそれぞれ「わかってポイント」というものがあり、そこをしっかり分かってあげると笑顔になったり、落ち着いておだやかになったりするというお話です。褒めることは大事だけれど、それだけではなく、「わかってポイント」を理解してあげることが大切というお話です。
センサーコールとの戦い
時々乙女に戻る認知症の利用者さんのお話です。夜中にセンサーコールを鳴らし、ご飯を食べに行こうと誘ったり、財布がないと騒いだり、関西のおばちゃんにもなりながらなかなか寝てくれません。誘導が上手い識子さんでもかなり手こずっている様子です。楽しんでいるように見えますが、介護職の夜勤は本当に大変なのだろうと感じます。
自分が選んだ仕事
20代男性介護士の利用者さんへの態度が悪すぎてクレームになったお話です。もちろん利用者さんに向かってため息をつくなんてひどいと思いますが、この先、老人は増えていくけれど、介護職は人材不足という社会で、きついと言われる介護士さんの仕事の負担が少しでも減らせるような対策が取れるといいのかなと色々考えさせられます。
訪問介護のお仕事
識子さんは腰痛の悪化が原因で施設介護から訪問介護に転職されました。大変忙しい中にも、利用者さんの一番話したい部分はどこかをうまく見つけて生き生きと元気よく話せるように努力されています。
楽しい高齢者の方々
お話が大好きで時間をオーバーしてしまう利用者さん、家の鍵をなくして他のもので代用して開けようとする利用者さん、アイスクリーム食べたことがないのかな?という利用者さんなど愛すべき高齢者の方々と識子さんのやり取りが楽しいです。
人の一生とは
仮名セツコさんという利用者さんのお話です。小学生の時に4回も転校してもうまく友達を作った話や職場でひどいイジメにあっても家族にご飯を食べさせるため我慢した話、戦争の経験など、90歳近くなってすべてのことを、穏やかに、心静かに振り返っておられます。いちいち「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えてくれる素敵なおばあさんです。
貴重なお話
つい先日のブログでも識子さんが戦争の貴重なお話として紹介されていました。当時80代だった利用者さんは終戦の昭和20年に14歳でした。間一髪で命が助かる経験や炭がたくさん置いてあるなと思ったら全部人間だった話など、今も戦争をしている国がある中で、平和であることは当たり前ではないと再認識できます。
食べ物に対する姿勢
利用者さん3人が食べ物を簡単には捨てない様子についてのお話です。それまでの識子さんは期限が切れたものはきっちり捨てていたそうですが、2~3日なら大丈夫だと気づきます。Annの家では納豆やキムチを買いだめするのでよく期限切れになりますが食べてます😅
重ねて責めないことの大切さ
訪問介護の利用者さん2人のお話です。ホットケーキに塩を入れてしまって食べられないほど塩辛くなっても全く咎めなかったり、体がビクッとするほど熱いお湯をかぶってしまうことになっても責めなかったりしてなんて優しい方々なんだろうと思います。果たして自分だったら同じことができるだろうか・・・怒らないまでも「気をつけて」ぐらいは言ってしまうと思います。こんな立派な人になりたいです。
高齢者の悩み~お荷物の自分~
100歳近い利用者さんのお話です。ある日訪問すると、部屋が真っ暗で元気がありません。「はよ死にたい」とまで言います。識子さんは利用者さんの元気が回復する話をしてあげ、利用者さんはすっかり元気になりました。極端に心が弱っている人には、冗談が逆効果になることもあるため、くさいと思うセリフでも正直に接することが大切だと教えてくださっています。
楽しい高齢者の方々2
昔、誰もが貧乏だった時代を生きてきた利用者さんのお話です。食べ物がないと、みんなが畑に作物を盗みに行ったそうです。トウモロコシは取る時に音がしてしまうとか、月夜はダメとか経験者にしか分からないことなので想像すると楽しいです。幽霊の怖さの基準が他の人には理解できないと
セツコさん
何度も登場しているセツコさんです。家の鍵をなくして自転車の鍵で開けようとして大家さんに叱られたり、辛い職場でも我慢して子どもたちを育てたりした方です。気の弱いセツコさんが得意げに「私、抗議したで。」と言います。でもそれはなんとも控えめで可愛らしい抗議なのでした。
楽しい高齢者の方々3
読者に人気のセツコさんのお話です。ある日、識子さんが訪問すると室内でセツコさんが倒れているように見えます。真っ青になりながら呼び続けます。。。このお話を読んで、子どもが親に「すごく心配したんだよ」と言われるとすごく喜んで何度も同じ話を聞きたがるのに似てるなぁと思いました。セツコさん、とても可愛らしいです。
人生を楽しむコツ
訪問介護の利用者さんのお話です。この方はたとえ小さなことでも、〝いいこと〟 が1個でもあれば、その日は幸せな、いい1日でした、神様ありがとう、という素晴らしい考えの持ち主です。見習いたいです。